前記事に引き続き、7月1日に施行された改正相続法の「特別の寄与の制度」について見てまいりましょう。

条文は以下のとおりです。

第九章 特別の寄与
第千五十条 被相続人に対して無償で療養看護その他の労務の提供をしたことにより被相続人の財産の維持又は増加について特別の寄与をした被相続人の親族(相続人、相続の放棄をした者及び第八百九十一条の規定に該当し又は廃除によってその相続権を失った者を除く。以下この条において「特別寄与者」という。)は、相続の開始後、相続人に対し、特別寄与者の寄与に応じた額の金銭(以下この条において「特別寄与料」という。)の支払を請求することができる。
2 前項の規定による特別寄与料の支払について、当事者間に協議が調わないとき、又は協議をすることができないときは、特別寄与者は、家庭裁判所に対して協議に代わる処分を請求することができる。ただし、特別寄与者が相続の開始及び相続人を知った時から六箇月を経過したとき、又は相続開始の時から一年を経過したときは、この限りでない。
3 前項本文の場合には、家庭裁判所は、寄与の時期、方法及び程度、相続財産の額その他一切の事情を考慮して、特別寄与料の額を定める。
4 特別寄与料の額は、被相続人が相続開始の時において有した財産の価額から遺贈の価額を控除した残額を超えることができない。
5 相続人が数人ある場合には、各相続人は、特別寄与料の額に第九百条から第九百二条までの規定により算定した当該相続人の相続分を乗じた額を負担する。

従来、特別の寄与をした共同相続人については寄与分の規定(904条の2)があったのですが、いわゆる「長男のお嫁さん」など相続人でない親族が療養看護に努めた場合は何ら手当てがなされておらず、不公平であるという指摘がありました。これを受けて新たに設けられたのがこの条文です。

法務省のウェブサイトにわかりやすい説明が掲載されていたので、引用(転載)します。

特別の寄与の制度について

※画像をクリックすると拡大表示されます。

確かに一歩前進ではありますが、特別寄与料については、寄与分と同様、金銭的に評価することが難しく、家庭裁判所の調停や審判においても、特別寄与者の主張どおりには認められにくいことが予想されます。

相続権のない親族の労に報いたい場合は、遺言によって手当てをするのが最も確実であることに変わりはありません。

 

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