成年後見人向け保険、販売へ
5月16日付日本経済新聞に以下の記事が掲載されました。
成年後見人向け保険 他人にけがさせたら補償 損保ジャパン
損害保険ジャパン日本興亜は高齢者など判断能力が低下した人を支援する成年後見人向けの保険を販売する。面倒を見ている認知症患者などが他人にけがをさせた場合に補償する。高齢化で成年後見人の成り手不足は深刻。保険で安心感が高まれば、成り手不足解消の追い風になる。
成年後見人は家庭裁判所の選任を経て、認知症患者などの代わりに財産を管理する。被後見人にけがをさせた場合に補償する保険はあったが、被後見人が他人にけがをさせた場合に1人最大1億円を支払う。保険料は年3千円程度を見込む。
新保険は成年後見人の団体から要望があった。きっかけは東海旅客鉄道(JR東海)が電車にはねられた認知症男性の家族に振り替え輸送費などの損害賠償を求めた裁判だ。最高裁判決は家族の責任を認めなかったが、「成年後見人が責任を問われる恐れがある」として萎縮傾向が強まった。
成年後見制度の利用者は2014年末時点で13年末比5%増の18万4670人。成り手は弁護士や司法書士などの専門職に偏り、政府は4月の法改正で「市民後見人」の育成を促している。
さきの最高裁判決は、成年後見人が直ちに法定の監督義務者となるわけではないという見解を示しましたが、一方で、被後見人との関わり方次第では監督義務者に準ずる者として評価され得るともしています。このような保険は、後見人にとって必須のものとも言えるかもしれません。
「成年後見人の団体」からの要望で開発された保険商品とのことですが、親族後見人や市民後見人に加え、専門職後見人にも加入の余地があるのかどうか、興味があるところです。
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