ある投稿から思ったこと

10月22日付朝日新聞の「声」欄に、以下のような投稿が掲載されました。投稿者は神奈川県在住の60歳の男性です。

成年後見人に監督人つけよとは

知的障害者である妹の成年後見人をしている。家庭裁判所の選任を受け、年に1回、報告書を提出してチェックを受けている。ところが、親族後見人による財産着服などの事件が発生していることを受け、家裁から「未然防止」のためとして、次の諸制度の選択利用を促す連絡が来た。

一つは被後見人の財産を信託銀行などに信託すること。もう一つは後見人に「監督人」を付けるというもの。一つ目は、後見人が容易に手を付けられないところに資産を移せば、不正防止になるという考えだ。二つ目は、本来家裁が後見人を監督しなければいけないのを弁護士らに下請けに出そうという発想と思われる。

二つ目の方法では、被後見人の財産から「監督料」を監督人に支払う。月に1万~2万円としたら、10年、20年と継続すると数百万円の目減りとなる。家族が財産を減らさぬよう苦慮しているのに、逆なでする制度である。

確かに家裁も、利用者増でチェックはたいへんだろうと推測する。不正も起きているので苦肉の策として考えられた制度だろうが、どうも安易過ぎるのではないか。家族として憤りさえ覚える。

 

つい最近、弊所にも似たような相談が寄せられました。信託もしくは監督人という運用は、私の想像を超えるペースで進んでいるのかもしれません。

後見人としての務めをきちんと果たしている親族からすれば、家裁が一方的に「信託か監督人か、どちらかを選んでください」と言ってきて、しかも、その費用の負担は本人の財産からというのでは、釈然としない思いを抱かれるのは当然です。

家裁からすれば「不正防止に資するのだから、本人にとっても利益になること。本人負担とするのは当然」という発想なのでしょうが、これが一般の感覚ですんなりと受け入れられるものでは必ずしもないことに裁判所は思いを致すべきではないか。一般の方々の理解を得るための努力が足りないと言わざるを得ません。

 

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