親族間任意後見契約の可能性
任意後見契約というと、第三者の専門職に後見人を引き受けてもらうものだというイメージをお持ちの方がいらっしゃるかもしれません。
しかし、任意後見契約は親子やきょうだいなど親族間で結ぶことは可能ですし、さまざまなメリットがあることでもあります。
預金の出し入れにしても、あらかじめ暗証番号を教えてもらっておいて、いざというときはATMを使う形で事実上の代行をすることは可能ですが、決して好ましい形態ではありませんし、窓口経由の取引は代理権を得ておかないとできません。
任意後見を開始するに際しては、家庭裁判所に任意後見監督人を選任してもらう必要がありますが、任意後見契約の中に本人の意向として「この人に任意後見監督人をお願いしたい」旨を書き込んでおくことができます。
任意後見監督人の選任自体は家裁の職権ですが、本人の意向は踏まえることになっているので、希望どおりの監督人が選任される可能性は高いでしょう。
身近な専門職に監督人になってもらい、任意後見の開始後はアドバイザー的な役割を担ってもらえば、後見業務がスムーズに進むことでしょう。
任意後見契約は、親族間でこそ有用なものであると私は思っています。親子間で契約なんて水くさいと思われるかもしれませんが、何かと制約の多い法定後見を回避するためにも、ぜひ多くの方にお考えいただきたいと願っていますし、その普及のため、微力を尽くしていきたいと考えています。
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