相続に伴う自動車の移転登録

きのうの研修の復習をしようとネット検索していたところ、こんな記述を見つけました。ある質問サイトに出ていた記事です。


相続人が3人いて、うち2人が相続放棄。相続財産の自動車を移転登録するために、相続人が2人分の相続放棄申述書を持参して手続をしようとしたところ、係官から遺産分割協議書の提出を求められたそうです。


理屈からいえば明らかにおかしな話です。3人のうち2人が相続放棄しているわけですから、相続人は1人だけ。それを証明する書面(相続放棄申述書)を提示しているのだから、これで十分なはずです。そもそも相続人が1人だけになったのだから、遺産分割協議書なんてつくりようがありません。係官の認識不足を質し、遺産分割協議書は不要であることを認めさせ、移転登録の申請を受理させるのが“正しい”対応だと思います。


しかし、相続に伴う移転登録において単独名義とする場合、遺産分割協議によるケースが大部分だと思われます。年間の相続発生件数が100万件超であるのに対し、相続放棄の申述件数は15万件ほどですから、上に挙げた例のように、相続放棄の結果、単独名義となる割合は相当低いと推測できます。運輸局のサイトなどに遺産分割協議書の様式がアップロードされていることも、遺産分割協議によるケースが多いことを裏づけるものと言えるでしょう。


だとしたら、相続放棄によって単独名義となった場合でも、方便として遺産分割協議書を作成して添付してしまうこともあり得るのかなという気がします。要はスムーズに手続を進めることが目的ですから、認識不足の係官を啓蒙することに時間を費やすよりも、そういう係官がいるとしたら、その係官の認識のレベルに合わせて進めていくという対応も、実務においては必要なのではないかと思っています。

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