訪問のすすめ
一般社団法人をつくって手広くセミナーを行っている同業者が、開業準備中もしくは検討中の方向けにセミナーを開くようです。お手ごろな受講料なので、受けてみようかとお考えの方もいらっしゃるでしょう。
以前にもこのブログに書いたことがありますが、私個人としては、この手の開業セミナーを否定も肯定もしません。仮に私が誰かから「開業セミナーを受けてみようと思っているのですが、どうでしょう?」と相談を受けたとしたら、「やめておきなさい」とも言わないし、「ぜひ受けるといいですよ」とも言いません。
一つだけ申し上げておくとすれば、この手のセミナーは、より受講料の高い(=利益率の高い)セミナーへ導入する役割を担っているということです。
そして、より重要なのは、セミナーで語られることは、所詮は加工された情報にすぎないということです。「あえて厳しいことを言う」のも彼らの戦略・戦術です。
開業セミナーの受講を考える動機は人それぞれでしょうが、自分が目指すべき行政書士像を探るヒントにしたいという目的は、多かれ少なかれほとんどの人が持っているのではないかと思います。
だとしたら、実際に開業している行政書士に会って話を聞いた方が手っ取り早いし、掛け値なしの本音を聞き出せるかもしれません。
セミナーを受講することに比べれば心理的なハードルははるかに高いでしょうし、これはと思う行政書士を探し出してアポを取り、会いに行くのは時間的にもなかなか難しいことかもしれません。
しかし、率直に申し上げれば、この程度のことに躊躇しているようでは、開業しても成功は覚束ないでしょう。真に有益な情報は、与えられるものではなく、自ら取りにいくものです。イエス・キリストは山上で「求めよ、さらば与えられん」と説きましたが、逆にいえば、自ら求めなければ何も与えられないのです。