チェロに現れる狼の話
引き続きチェロネタです。タイトルを見て「何のこと?」と思われた方が多いと思います。
弦楽器、とりわけチェロやコントラバスのように大きい楽器に顕著に出現する「ウルフトーン」というものがあります。
楽器には、楽器そのものが持つ固有の音程があって、これと弦の音程がぶつかると、弦が正しく振動せず、狼が吠えるような不快な音がすることから、このように呼ばれています。
ウルフトーンが出やすい音程は幾つかあって、マイ・チェロの鈴木君の場合、D線のFis(F#)に出現します。
このウルフトーンを軽減する道具というものもあって、「ウルフキラー」と呼ばれています。こんな形をしています。
実際に弦に装着した様子はこちら。
これをつけるとウルフトーンが軽減されますが、ゼロにはなりません。左手で正しい音程を押さえ、右手で正確なボウイングをすると出ないのですが、これが常にできれば苦労はないわけでして‥‥