父が亡くなり、20年前に作成された公正証書遺言と、その10年後の日付がある自筆証書遺言が見つかりました。どちらが有効なのでしょうか。

 2-24でご説明したとおり、前の遺言が後の遺言と抵触するときは、その抵触する部分については、後の遺言で前の遺言を撤回したものとみなされます。

 したがって、20年前の公正証書遺言がその10年後の自筆証書遺言と抵触する部分があれば、自筆証書遺言の記載が有効となります。

 遺言の撤回は「遺言の方式」によることが求められているだけですので、自筆証書遺言で公正証書遺言を撤回することは可能です。しかし、後のトラブルを防止する観点から、公正証書遺言の内容を撤回し訂正するときは、同じ公正証書遺言によることをおすすめします。