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2-3 遺言書を作成すべきケース

遺言書を作成しておいた方がよいのはどんな人でしょうか。

 すべての人に遺言書を作成することをおすすめしたいのですが、以下のパターンに当てはまる方には特に遺言書を作成することをおすすめします。また、遺言は、自分に万一のことがあったときに、残された者が困らないようにするためのものです。自分が元気なうちに(冷静に客観的な判断ができるうちに)作成しておきましょう。
 なお、未成年者でも、満15歳に達していれば遺言書を作成することができます。

1 法定相続分と異なる配分をしたい場合

 「長男に事業を継いでもらいたいから、事業用の資産はすべて長男に相続させたい」「よく面倒を見てくれた長女により多く財産を残したい」と考えるのであれば、その旨を遺言書に書き残しておく必要があります。
 ただし、特定の相続人により多くの財産を相続させることによって、他の相続人の遺留分を侵害する可能性がありますから、注意が必要です。

※「遺留分」とは
 兄弟姉妹以外の相続人に最低割合として保障される相続分のことです。具体的には、直系尊属のみが相続人であるときは相続財産の3分の1、それ以外の場合は相続財産の2分の1が遺留分として留保されます。
 例えば、配偶者と子2人が相続人であるとき、それぞれの具体的遺留分は、
 ・配偶者…2分の1(遺留分)×2分の1(法定相続分)=4分の1
 ・子………2分の1(遺留分)×4分の1(法定相続分)=8分の1
となります。
 遺留分を保全するためには、減殺請求の手続をとる必要があります。

2 相続人の数、遺産の種類や数量が多い場合

 当たり前のことですが、相続人の数が多くなるほど、遺産分割協議はまとめるのが難しくなります。
 また、遺産の種類や数量が多い場合は、遺言書とともに財産目録を作成しておいた方がいいでしょう。被相続人が亡くなった後、相続財産を調査してリストアップすることには大変な時間と労力がかかります。
 遺言書と財産目録が残してあれば、これらの時間と労力を大きく節約することができます。

3 配偶者と兄弟姉妹が相続人となる場合

 配偶者と義理の兄弟姉妹(被相続人の兄弟姉妹)との協議はなかなか円満には進まないものです。
 また、このパターンの場合、「すべての遺産を配偶者に相続させる」旨を遺言することにより、全財産を配偶者に相続させることができます(兄弟姉妹には遺留分がないため)。
 このパターンに限らず、配偶者との間に子がいない場合は遺言書を残しておくことを強くおすすめします。

4 離婚・再婚をしている場合

 例えば元配偶者との間に子供がいて、その後離婚して別の人と再婚した場合、推定相続人は、現在の配偶者と元配偶者との間の子供になります。このパターンの遺産分割協議もなかなか円満には進みません。
 遺言を残し、かつ遺言執行者を指定しておけば、現配偶者にも子供にも負担をかけずに済みます。「法定相続分で分けてもらえればよい」と考えている場合でも、その旨を遺言として残し、かつ遺言執行者(第三者が望ましい)を指定しておくことをおすすめします。

5 農家や個人事業主(個人商店)の場合

 相続によって事業用の資産が分散してしまうことを防ぐためには、事業用の資産を特定の相続人に相続させる旨を遺言しておく必要があります。

6 相続人以外の者に財産を与えたい場合

 法定相続人以外の者に財産を与える(「遺贈」といいます)には、その旨を遺言しなければなりません。
 特に注意しなければならないのは、内縁(事実婚)の配偶者がいる場合です。民法上、内縁の配偶者には相続権がありません。例えば内縁の妻に財産を残しておきたいという場合は、必ずその旨を遺言しておかなければなりません。子の配偶者(息子の嫁など)に財産を与える場合も同様です。
 また、遺言を残すことにより、生前特に世話になった人や団体に寄付をすることもできます。

7 ひとり暮らしの方

 まず、ご自身に推定相続人がいるかどうかを確認しておきましょう。推定相続人は、(1)直系卑属(子や孫)、(2)直系尊属(父母、祖父母)、(3)兄弟姉妹ですが、(1)(2)(3)が全くいなくても、おいやめいがいれば、その者が推定相続人となります(兄弟姉妹を代襲相続するためです)。
 推定相続人がいて、かつ近しい関係にあり、遺産が推定相続人のものになることに異存がない場合でも、遺言を残し、かつ遺言執行者を指定しておくと、相続の手続がスムーズに進むというメリットがあります。
 推定相続人がいないか、いてもその者とは疎遠で、むしろ親しい友人などに遺産を渡したい、そのかわり遺品の整理をお願いしたいというような場合には、その旨を遺言しておかなければなりません。
 ちなみに、推定相続人がおらず、かつ遺言もない場合、「相続人の不存在」として扱われることとなり、民法の規定に従って手続が進められ、遺産は最終的には国庫に帰属することとなります。

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