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3-29 被後見人が相続人となったとき

両親ともに健在ですが、母が認知症で、長女である私が成年後見人を務めています。父が死亡したとき、相続手続はどのように行われるのでしょうか。

 相続人の中に被後見人がいる場合、被後見人は単独で遺産分割協議書に署名捺印することはできず、法定代理人である成年後見人が被後見人に代わって遺産分割協議を行い、協議書に署名捺印することになります。

 それでは、長女が母親の法定代理人として遺産分割協議書に署名捺印できるかというと、これは認められません。被後見人と後見人が共同相続人である場合、被後見人と後見人の利害は対立する関係にあるからです(これを「利益相反行為」といいます)。

 このような場合、後見人は被後見人の特別代理人を家庭裁判所で選任してもらい、その特別代理人との間で遺産分割協議を行う必要があります。実務上は、家庭裁判所への請求に際し、遺産分割協議書の案を添付するのですが、原則として、被後見人の法定相続分を確保する内容でなければなりません。

 特別代理人の選任は家庭裁判所の職権(審判)で行われますが、申し立てるときに「この人を選任してほしい」と希望することができます。特に問題がない限り、申立書に記載した候補者がそのまま選任されるようです。申立てから審判がおりるまで1カ月程度かかります。通常、手続は書面のやりとりで行われ、裁判所への出頭は求められません。

 なお、後見監督人が選任されている場合は、後見監督人が被後見人の代理人となるので、後見監督人との間で遺産分割協議をすればよく、改めて特別代理人を選任する必要はありません。

執筆者
行政書士・社会福祉士 稲吉 務
(足立区の専門職成年後見人)

相続・遺言・成年後見Q&A

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