鑑定に関する費用は全て自費ですか。

 申立てに要する費用は申立人が負担するのが原則で、この中には鑑定費用も含まれます。鑑定費用は担当する医師によって異なりますが、5万円~10万円程度のことが多いようです。ただし、家庭裁判所の許可を得て、本人の財産の中から、鑑定費用を含む手続費用の償還を求めることができます。

 なお、東京家庭裁判所では、成年後見の申立てを行うことが本人の保護となり、その利益になるとの観点から、鑑定費用を含む手続費用について本人負担とする運用を始めています。

 また、実務上は鑑定が省略されることが多く、鑑定が実施される割合は申立て全体の1割程度です。

執筆者
行政書士・社会福祉士 稲吉 務
(足立区の専門職成年後見人)