成年後見人がつくと登記されると聞きました。そのことを他人に知られてしまうことはないのでしょうか。
後見・保佐・補助開始の審判が確定したときや任意後見契約の公正証書が作成されたときは、家庭裁判所もしくは公証人からの嘱託によってその旨が登記されることになっています。
登記されている内容は法務局が発行する「登記事項証明書」に記載されますが、この証明書を請求できるのは、登記されている本人、その配偶者、4親等内の親族、成年後見人など一定の者に限定されています。不動産や会社の登記簿のように、誰でも請求できるわけではありません。したがって、登記されていることを見ず知らずの他人に知られてしまうことはまずないといっていいでしょう。
なお、成年後見(法定後見・任意後見)を受けていない人は、自己が登記されていないことの証明書を法務局で発行してもらうことができます。この証明書は、国家資格などの欠格要件に該当していないことを証明する資料として広く利用されています。
執筆者
行政書士・社会福祉士 稲吉 務
(足立区の専門職成年後見人)