金融機関で相続手続をするときに注意すべき点を教えてください。
預貯金や有価証券の相続手続は、金融機関ごとに手続の流れや必要書類が異なります。印鑑登録証明書の有効期限にしても、多くの金融機関は6カ月以内としていますが、3カ月以内のものを要求する金融機関もあれば、「極端に古くなければOK」という対応をする金融機関もあり、まちまちです。
1回の来店で手続が終わることはあまりなく、何回か窓口へ足を運ばなければなりません。待ち時間や手続に要する時間も長くなる傾向があります。相続財産が円預金のみの場合は、委任状により代理人が手続をすることが可能ですが、外貨預金や投資信託が含まれていると、金融商品取引法に基づく説明義務の関係から、相続人本人の来店を求められることがあります。
そして、残念なことですが、金融機関の窓口担当者が相続手続に慣れていないことから、適切さを欠く案内をされることもあり、さらに時間と手間を費やす結果となることがあります。
また、一部の金融機関では、遺言書があっても遺言執行者がいないと、相続人全員の署名と実印押印を求めてくることがあります。
いずれにしても、金融機関で相続手続を進めるに当たっては、二度手間を防ぐために、手続の流れや必要な添付書類等を事前に確認することが必須と言えるでしょう。被相続人の口座があった支店で相続手続の担当者に直接確認することをおすすめします。