「親族後見への再シフト」はない?

3月19日付の朝日新聞で「成年後見人には「親族が望ましい」 最高裁、考え方示す」という記事が1面トップで報じられました。

この報道を受けて、日本司法書士会連合会が4月17日、「専門職後見人の果たす役割は変わらない」と題する会長声明を出しています。抜粋して引用します。

最高裁通知は,その親族等を後見人に選任することが相当ではない事情の有無や,課題の専門性,候補者の能力・適性,不正防止の必要性などを勘案した上で,成年後見制度利用促進基本計画に定める中核機関等の継続的な支援があって適切な後見事務が期待されるときは,単独でその親族等を後見人に選任し,中核機関等の継続的な支援が期待することができないときは,専門職の関与の下に選任する,という趣旨であり,これをもって最高裁の方針変更と捉えるべきではない。

また、5月27日に開催された「第3回成年後見制度利用促進専門家会議」で配付された資料「適切な後見人の選任及び報酬付与の在り方に関する検討状況について」では、「最高裁と専門職団体との間で共有した基本的な考え方」として、
・親族等の身近な支援者を候補者としている場合には選任することの適否を検討
・後見事務における課題の専門性、候補者の能力・適性、不正防止の必要性などを考慮
・親族等候補者に適格性があると判断される場合、中核機関の支援の下で後見人として選任
――の3項目を示しています。

朝日新聞の記事のもととなった、3月18日に開催された「第2回成年後見制度利用促進専門家会議」で配付された資料にあった「後見人となるにふさわしい親族等の身近な支援者がいる場合は、これらの身近な支援者を後見人に選任することが望ましい」という記述は消えています。

これが、新聞報道の反響に慌てた最高裁が軌道修正を図ったものなのかどうかは定かではありませんが、いずれにしてもこの先、親族後見の割合が増えることはあっても、親族後見へ大きくシフトするようなことはなさそうです。

 

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