後見制度支援預金
今月から東京都内の一部信用金庫・信用組合が「後見制度支援預金」の取り扱いを始めました。
「後見制度支援預金」は、従来からある後見制度支援信託の信金・信組版とも言えるもので、基本的な枠組みは同じです。
対象となるのは、被後見人の財産のうち、日常生活に必要なものを除く、通常使用しない金銭です。預金の払戻しや解約を行うには、あらかじめ家庭裁判所が発行する「指示書」が必要となります。
利用に当たっては、後見制度支援信託と同様、原則として弁護士、司法書士等の専門職後見人が選任され、利用の可否の検討や口座開設の手続を行います。
ただ、信託と違うのは、既に親族後見人が選任されている案件で、特に専門職による検討が必要でないことが提出された資料等から明らかな場合は、家庭裁判所の判断により、専門職後見人を選任しない場合もあり得るということです。
また、信託ではなく「預金」なので、500万、1000万といった最低預入金額の設定はありませんし、口座の開設や運用、解約に当たって手数料が発生することもありません。元本保証もありますし、預金保険制度の保護対象にもなります。
対象財産が金銭・預貯金のみに限られること、利用対象者は成年被後見人と未成年被後見人に限られ、保佐・補助・任意後見では利用できないことは後見制度支援信託と同じです。
制度普及のかぎを握るのは、「専門職後見人を選任しない場合」を家庭裁判所がどのように運用するかでしょう。ある程度柔軟に運用されれば、身近な金融機関である信金・信組の強みが生かされ、使い勝手のよいものとなる可能性を秘めていると思います。
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