任意後見契約のバリエーション(2)~移行型(併用型)

任意後見契約は、ご本人の判断能力が低下し、任意後見監督人が選任されると動き出すものです。ということは、逆にいえば、ご本人の判断能力が正常である間は、発動の余地はないということになります。

現実には、これだと不都合が生じる場合があります。ご本人の判断能力は正常だけれども、病気などで移動には差し障りがあり、銀行へ行くことが困難なケースなどです。

このようなケースをカバーするため、任意後見受任者との間で、任意後見契約とともに「財産管理等の委任契約」を結び、金融機関での預け入れ・引き出し、公共料金等の支払いなど、日常的な金銭管理を任せる方法があります。時系列的には委任契約から任意後見へ移行するものなので「移行型」と呼ばれたり、委任契約と任意後見契約の「併用型」と呼ばれたりします。

この移行型(併用型)のご本人にとってのメリットは、すぐに支援が始まり、判断能力低下の有無にかかわらず、最期のときまで続けてもらえるということでしょう。受任者にとっても、日常的にご本人と接するので、任意後見監督人選任申立てのタイミングを見きわめやすいというメリットがあります。

しかし、注意すべき点もあります。ご本人の判断能力が低下し、任意後見監督人を選任すべき状態になったにもかかわらず、受任者がそれを怠るというリスクが潜んでいるのです。特に、前段の委任契約の段階で広範な財産管理の代理権が設定してあると、受任者は広範な代理権を手にしている一方で、ご本人は判断能力が低下しているし、任意後見監督人も選任されていないため、受任者の行動を監督する人がおらず、悪意ある受任者にとってはやりたい放題の状況になってしまいます。

このようなリスクを回避するためには、信頼の置ける人物を受任者に選ぶことが最も大事なのは言うまでもありませんが、委任契約の段階では広範な代理権は設定せず、例えば銀行預金については日常的に使う普通預金口座についてだけ代理権を設定し、定期預金などについては代理権を付与しないでおく(必要なときにはその都度委任状を書く)ことも検討すべきでしょう。私がお引き受けしている移行型(併用型)任意後見契約においてもこの方式を取り入れています。

 

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