任意後見契約のバリエーション(1)~即効型

前記事でご説明したように、任意後見契約の基本形は、ご本人の判断能力に問題のないときに、将来の判断能力の低下に備えて受任者との間で契約を締結するというものです。

これに対し、ご本人の判断能力の低下が始まった段階で受任者との間で契約を締結し、続けて任意後見監督人の選任を家庭裁判所に申し立てて任意後見をスタートさせるという形態があらわれました。契約をすぐに発効させることから、「即効型」と呼ばれています。

この即効型については、公証役場が関与しているとはいえ、ご本人が契約の内容をきちんと理解した上で締結しているのかという疑問は残ります。

さらにいえば、任意後見監督人選任申立ての要件は、「精神上の障害により本人の事理を弁識する能力が不十分な状況にあるとき」(任意後見契約に関する法律4条1項)です。お気づきの方もいらっしゃると思いますが、これは補助開始の審判申立ての要件と同じです。だとすれば、即効型の任意後見ではなく、法定後見の補助類型を使うのが妥当ではないかという議論は十分に成り立つでしょう。

もっとも、補助人の選任は家庭裁判所の職権であり、ご本人の希望する人が選ばれる保証はないことから、即効型の任意後見を利用したいというニーズはあり得るでしょう。さまざまな事情から即効型の任意後見契約を締結する場合は、濫用やモラルハザードを防ぐ観点から、
・可能であれば、任意後見人は第三者(専門職)にする。
・親族を任意後見人にする場合は、任意後見監督人の選任(誰に依頼するか)については裁判所に委ねる。
――という対応が必要ではないかと考えます。

 

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