身上保護はどこへ?
行政書士数名で運営している一般社団法人があって、その法人は「成年後見に関するご相談をお待ちしております」とうたっています。
この法人のブログに、成年後見業務はFP(ファイナンシャルプランナー)がふさわしいという趣旨の記事が出ていました。曰く「成年後見業務で何人かの財産管理等をしているが、財産に係る契約行為もするので、いろいろな知識が必要となる。これを網羅できるのはFPだ」と。
財産管理に限っていえば確かにそのとおりかもしれませんが、成年後見で最も大切は身上保護はどこへ行ってしまったのか。「財産管理等」の「等」でくくってしまっているのだとしたら、後見人の姿勢としては問題ありと言わざるを得ません。
件のブログ記事に限らず、この法人の成年後見に関する記述を読んでいると、後見人の主たる仕事は財産管理で、身上保護はおまけ程度にしか考えていないのではないかと思えてくるのです。
白状すると、私自身、ヒルフェの研修を受けるまでは身上保護の大切さというものがよくわかっていませんでした。ヒルフェの研修を受け、そして実際に後見人として活動する中で身上保護の重要性と奥深さを知り、社会福祉士の勉強をしようと思い立ったわけです。
この社団に所属する行政書士はヒルフェの研修を受けていません。ヒルフェの研修は万能ではなく、改善すべき点は多々ありますが、業務として成年後見に取り組む以上は受けておくべきものですし、その気がないのなら成年後見の看板は下ろすべきだと思っています。