法定相続情報証明制度について(2)

この制度が普及するかどうかは、金融機関の対応次第ではないかと考えています。

金融機関からすれば、これまでは自ら戸籍の束を確認する作業をしていたところを法務省が代わりにやってくれるわけですから、受け入れることに抵抗は少ないように思われます。メガバンクや有力地銀が、戸籍謄本等一式に代えて認証文付き法定相続情報一覧図を提示する形でもOKという扱いを始めれば、意外と早く浸透するような気がします。

ただし、この制度は万能ではありません。相続人の側からすれば、戸籍を集める手間そのものは軽減されません。加えて、これまでは銀行の窓口に直接戸籍の束を持ち込んでいればよかったのが、わざわざ登記所まで出向いて証明をとってこなければならないということになれば、かえって手間が増えることにもなります。少なくとも過渡的には、法定相続情報一覧図でもよいし、これまでどおり戸籍の束でも可という対応をするとは思いますが。

法務省はこの制度に関し、戸籍の職務上請求ができる士業に対して一律に代理業務を認めました。もっとも、戦前の戸籍(特に大正4年式)には、判読が難しいもの、一つ前の本籍地や戸主がわかりにくく、さかのぼることが難しいものもあります。また、相続人が多数になると、相続情報一覧図も複雑になってきます。相続業務で実績のある専門職に依頼するのが無難であるとは言えるでしょう。

ともあれ、これから動き出す制度ですから、運用が始まってから見えてくる問題点などもあるでしょう。こうしたことについても、今後、このブログで随時お知らせしていきたいと思っています。

法定相続情報証明制度について(法務省ウェブサイト、PDF)

 

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